妊娠中の寄生虫と感染症に注意
9月23日付のNHKウェブニュースによると、
妊娠中に寄生虫トキソプラズマやサイトメガロウイルスに感染し、子どもに重度の障害が発症した母親らが患者会を発足。再発を予防するために、
広く妊婦らに注意喚起するとともに、妊婦健診時における抗体検査の必須化やワクチン、治療薬等の認可を国に求めている。
感染症予防のための11ヶ条
先天性トキソプラズマ&サイトメガロウィルス感染症患者会「トーチの会」(代表、渡邊智美氏)運営のHPでは、次の11項目の注意事項を提起している。
1.トイレ使用、生野菜・果物の接触、調理や食事、農作業、動物や病人との接触、乳幼児の唾液に触れた時、オムツ替えのなどの後には、石鹸と流水で必ず手を洗う。
2.子どもとフォークやコップなどの食器を共有したり、食べ残しを食べることはやめる。
3.肉は、しっかりと中心部まで加熱してから食べる。
4.殺菌済でない乳製品は食べない。
5.猫の糞にはトキソプラズマなど有害な寄生虫が含まれている可能性があるため、猫のトイレ掃除時には、手袋やゴーグルを着用するか、妊娠中は他人に代わってもらう。また作業後には必ず手を洗う。
6.げっ歯類(モルモットやハムスターなど)の排泄物(尿、糞)には触れない。
7.妊娠中の性行為の際にはコンドームを使用する。
8.母子感染症の原因となる感染症について検査。
9.B群溶血性レンサ球菌の保菌者であるか検査。
10.妊娠前のワクチン(麻疹、風疹や水痘など)履歴を確認。
11.妊娠中は感染症患者の方との接触を避ける。
先天性トキソプラズマ症とは?
感染経路は口が主で、目や呼吸器もあるといわれている。経口感染の感染源は、食用肉や内臓やネコの糞が知られている。
妊婦自身が初めてトキソプラズマに感染すると、胎児に胎盤を介して感染し、胎児が水頭症(すいとうしょう)や脈絡網膜炎(みゃくらくもうまくえん)を発症することがある。
サイトメガロウイルスとは?
統計では、母乳や唾液、尿などを介して多くは乳幼児期に感染。胎児期に感染する新生児は、約300人に1人で、うち約1000人に1人が難聴や脳の機能障害などを発症すると言われている。先天性トキソプラズマ症と同じく、
免疫のない妊婦が増加の傾向にあり、胎児への感染の危険性が高まっている。子ども時代の遊びの質の低下が根本的な原因か?
神戸大大学院医学研究科産科婦人科学分野の山田秀人教授は神戸新聞の記事の中でこう考察している。少子化により、子ども同士が密着する外遊びが減り、また衛生状態の改善などにより、妊婦の免疫力低下を招いたのではないか。かつて9割以上だった免疫保有者は、現在では7割程度に低下しているという。また、感染者は抗ウイルス薬で治療できる。
(渡邉充代)

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