“セルトリ細胞”とは?
“セルトリ細胞”という細胞をご存知だろうか。これは、精巣の中に存在し、精子を育てる役割を担っている細胞だ。
米ホワイトヘッド生物医学研究所の研究チームが、2012年9月7日付の科学誌セル・ステムセルに発表したところによると、マウスを使い、そのセルトリ細胞を作り出す実験に成功したというのだ。それは、体細胞に5種類の遺伝子を入れるという方法だ。
男性不妊患者の希望の光となるのか
世界中のカップルの、6組に1組は不妊の問題を抱えていると言われているこの時代。これまで、“不妊”と言うと女性側の治療がほとんどだったが、あるデータによると、不妊を抱えたカップルの約半数は、男性の側に原因があるという。
今回のこのマウスでの実験と同じように、ヒトのセルトリ細胞を試験管内で作ることが可能ならば、男性不妊患者の精子になる前段階の細胞と、作製したセルトリ細胞とを一緒に培養し、育て、卵子と体外受精させるという不妊治療が実現する可能性がある。
体内で、自然に精子を作ることが難しい男性不妊患者にとっては、かなりの朗報だ。更なる実験の進展と、早期の実用化を願う。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012090700131