女性ではダウン症、男性では自閉症や統合失調症
女性では、高齢出産でダウン症の子どもが生れることが多いことは知られています。ところが、父親の年齢も生れてくる子どもの健康上のリスクに関連していることが分かりました。
研究はアイルランドで、子どもが自閉症もしくは統合失調症と診断されている78家族を対象に行われました。すると、妊娠時の父親の年齢が、こうした病気に関する遺伝に影響することが明らかになったのです。
男性が年齢を重ねるごとに、精子の中の遺伝子が突然変異を起こす確率が高くなってくるそうです。このため、遺伝子の異常によって引き起こされる病気にかかる確率も高くなるのです。
調査によると、1年ごとに平均して新たに二つの遺伝子の突然変異が起こるとの数字が算出されましたが、厳密に何歳からこういった変化が起こってくるかについては明らかにされませんでした。
生命の誕生には不思議がいっぱい。神経質になりすぎないで
けれども、この研究チームにも参加している、ケント大学のダレン・グリフィン教授は、父親の年齢が高いからと言って、極端に心配する必要はないとしています。DNAには、3億という遺伝子情報があり、解明されているのはごくごくわずか。つまり、今回の研究では確認されなかった、高齢の両親から生れることに対するメリットが今後発見されることも、当然考えられます。
アイルランドにかかわらず、世界の多くの地域で、晩婚化や、出産年齢の高齢化が見られています。命には様々な神秘があり、まだ未解明なことも多いので、一つ一つの情報に惑わされるのではなく、一つの事実として自分なりに理解していくことが大切なのでしょう。

Today Online ; Father's age seen as crucial to baby's disease risk
http://www.todayonline.com/World/EDC120823-0000095/