胎児の成長と母体の腸内環境に密接な関係
8月2日付の米医療系情報サイトbabycenterによると、「妊娠中の腸内環境の変化は、体重の増加といった健康問題を引き起こしやすい一方で、胎児の成長を効果的に促進している。」と研究者らが報告した。
母体とともに腸内環境も変化している
コーネル大学の研究員Ruth Ley氏らは、妊婦91人の妊娠初期から妊娠後期までの腸内環境の変化を徹底調査。研究の結果
、私達の体内は、体内に住む微生物を道具として利用しながら、微生物とともに進化しつづけている。そのおかげで、妊婦は新陳代謝を変化させて胎児の成長を促進させることができる、ということが判明した。
妊娠中は、妊婦の腸内微生物は通常より数が少なくなり、多様性が一層小さくなる。また、腸内で病気に関連した微生物が増えると、同時に、有益な微生物の数が減るということが判明した。また妊娠中は炎症が増える。
このような腸内環境の変化は、食事制限とは関係なく、免疫システムやホルモンが一役買っていると、研究者らは考察する。
腸内環境は、妊娠初期と後期で違う
研究員らは、健康な複数の試験マウスに、妊娠初期の腸内微生物と妊娠後期の腸内微生物を移植。
妊娠後期の腸内微生物を移植されたマウスの方が、体重が増えて、腸内環境が悪くなり、血糖値も上がった。研究者らは、妊娠後期に、腸内の微生物は代謝に変化をもたらす可能性があると指摘する。理由は、脂肪組織にエネルギーを蓄えるためだ。この腸内環境の変化は、糖尿病や他の健康問題を引き起こす可能性はあるものの、同時に、蓄積したエネルギーのおかげで、胎児は成長することができる。
(渡邉充代)

babycenter
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