世界初!体外受精に挑んだ女性
7月21日付けのアメリカ医療系情報サイトMedindiaによると、世界で初めて体外受精にて出産したイギリス人女性、Lesley Brownさんが亡くなったことが、親族により明らかになった。享年64歳だった。
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ちょうど34年前の1978年7月22日、科学者のRobert Edwards氏と産婦人科医のPatrick Steptoe氏により、当時、先駆的治療法であった体外受精にて、女児を出産。その後、1980年には、両氏により、世界初の体外受精(IVF)専門病院がイギリスのケンブリッジに設立。Lesley Brownさん死去の知らせを聞き、この日、この病院では、追悼式がいとなまれた。
Louise Brownさんの功績を称える
この時生まれた娘のLouise Brownさんは母を偲ぶ。「私の母は、とても物静かな人で、他人に自分のことをあまりさらけ出さない無口な人だったわ。でも世界で注目の的となった。母がものすごく、新しい家族が生まれることを望んだから。」
同病院の病院長Mike Macnamee氏も深く哀悼の意を表した。「Lesleyさんは、とても献身的なお母さんであり、また良いおばあちゃんでもあった。Lesleyさんのおかげで、数え切れないぐらい沢山の女性達が、勇気をふりしぼって決断し、”母”になるチャンスを手にしてきた。Lesleyさんは、非常に優しく、慈しみ深き方だった。私達みんなが、深い尊敬の念でもって、この先も記憶にとどめるだろう。」
娘のLouise Brownさんは、母のLesleyさん同様、体外受精にて第二子目を出産したことがある。現在は、5人の孫がいる。Louiseさんの夫は5年前に亡くなった。
科学者のRobert Edwards氏は、この体外受精における研究が認められ、1950年に、ノーベル賞生理学医学賞を受賞。産婦人科医のPatrick Steptoe氏は1988年に亡くなっている。
現代では、この体外受精による受精卵により、20%から30%の確率で日々、子どもが生まれている。(編集部翻訳担当 渡邉充代)

Medindia
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