適切な体重管理で危険回避できるかも
5月9日付のアメリカの医療系インターネット情報サイトWebMDによると、従来、40歳を過ぎてからの出産は、いくつかの危険が伴うとされてきた。しかし今回、研究者らの調査で、適切な体重管理をすれば、これらの危険を回避できることが判明した。
(Photo by nine months of pregnancy/
MJ/TR)
健康で肥満でないことが決め手
米、レキシントンにあるバプテスト中央病院の医療部長、John R. Barton医師は説明する。
「40を過ぎて、健康で肥満でないのと、肥満であるとでは、妊娠合併症の危険度が明らかに違う。健康で肥満でない方が、肥満であるよりも、妊娠合併症になる確率はきわめて少ない。帝王切開になる割合以外、肥満でない若い妊婦らと比べても、健康で肥満でなければ、さほど変わりはない。」
John R. Barton医師は、20代と40代の肥満と非肥満の妊婦ら、合計53,000人を比較した。
4つのグループで比較
John R. Barton医師は、先ず、次の4つのグループに分けた。
(1)平均BMI(肥満度指数)が35の20代の肥満妊婦
(2)平均BMIが35の平均年齢41歳の肥満妊婦
(3)平均BMIが23の20代の非肥満妊婦
(4)平均BMIが24前後の平均年齢41歳の非肥満妊婦
そして比較した結果、次のことが判明した。
調査の結果は?
(1)
40歳を過ぎてからの出産は、体重に関係なく、帝王切開になる確率が高い。帝王切開になる確率は、40代-肥満妊婦で69%、40代-非肥満妊婦で55%、20代-肥満妊婦で47%、20代-非肥満妊婦で28%だった。
(2)
40歳を過ぎてからの出産は、37週目前で生まれる可能性が高い。早産は、赤ちゃん側に、健康上の問題が起きる確率が高くなる。
(3)
40歳を過ぎて肥満の妊婦は、肥満でない40歳過ぎの妊婦と比べて妊娠性糖尿病になる確率が3倍。妊娠性糖尿病になる確率は、40代-肥満妊婦で21%以上、40代-非肥満妊婦で7%以下、20代-肥満妊婦でほぼ9%、20代-非肥満妊婦で4%以下だった。
(4)
20代、40代いずれも、妊婦が肥満の場合、子癇前症{しかんぜんしょう}になる確率が高い。子癇前症の場合、血圧があがり、尿に高レベルのタンパク質が混じる。治療しないと、危険な状態になりかねない。子癇前症になる確率は、肥満妊婦は非肥満妊婦に比べて、ほぼ2倍だった。(編集部翻訳担当 渡邉充代)

WebMD
http://www.medindia.net