痩せているリスク
20歳のとき、痩せていて、BMI値が低い女性は妊娠糖尿病になるリスクが高いという研究結果が筑波大水戸地域医療教育センターによって発表された。
もちろん、平均的なBMI値であったとしても、妊娠初期は母子の健康に大きなリスクがあるが、日本を含む東アジアの女性は「ダイエット志向」が強く他民族に比べて平均的に低いBMI値にあるにも関わらず、より体重を落とそうという意識が高いため、妊娠時の女性が健康問題に陥るケースが多く見られる。
欧米では日本よりも肥満率が高く、肥満であることから妊娠糖尿病の症状が出ることは知られていたが、痩せていることが妊娠糖尿病のリスクに結びつく報告はこれが初めてだという。
危険性は4.9倍
妊娠糖尿病とは、妊娠をきっかけとしてインスリン分泌量が十分に増えず、糖尿病の症状(血糖値が高くなる)が発症することをいい、妊娠中毒症や尿路感染症、巨大児、羊水過多症などの各症状を引き起こす原因になる。
現在、日本でも妊婦のうち2%ほどの人はこの妊娠糖尿病にかかっているとされている。
この研究の中で、妊娠初期の女性642人を対象に調査を行い、妊娠中期までに28人が妊娠糖尿病を発症した。
対象となった女性は20歳以上で一般的な糖尿病にかかっていない人に限られ、女性たちの20歳のときのBMI値を分析したところ、BMIが18未満の痩せ型の女性は、BMI値18以上から肥満には達していない26.4未満の女性に比べて妊娠糖尿病を発症する危険性4.9倍も高いことがわかった。
若い女性は美しいボディラインへの憧れを強く持つが、同時に将来どのようなリスクが生じるかも知っておく必要がある。

妊娠糖尿病の手引き
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