体外受精は、回数が増えると妊娠率もアップ
IVFは回数を重ねるごとに成功率が上がるという報告がアメリカで発表されました。
アメリカ不妊治療協会のガイドラインでは、35歳以下の女性では1年間、それ以上の年齢の場合半年間の取り組みで妊娠に至らない場合は、不妊治療の対象となっています。一般の健康的な女性が妊娠する確率は、1ヶ月では20%程度とされています。
自然妊娠の確率は、妊娠の努力を3ヶ月続けると45%、半年で65%、1年では85%となっています。これらを統合して一般的に、妊娠、出産が可能な年齢にある女性の12%が何らかの原因により不妊となっているとされています。
リサーチでは、不妊治療に関連するデータベースから、健康な女性2,246,740人のデータを対象として分析を行いました。このうち471,208人が、不妊治療を受け、140,859人が出産に至りました。出産は、1サイクルで3割程度の確率とされています。
31歳未満の女性では、最大75%が3度目の体外受精で妊娠していることが分かりました。また、40歳から42歳では、成功率は最大28%に落ち、43歳以上では最大でも11%になってしまうそうです。
2サイクル目のIVFでは30歳以下なら最大62%、41歳と42歳では最大20%、43歳以上では最大8%が出産に至っていますが、これが4サイクル目となると、それぞれの年齢層で83%、33%、15%とアップするのです。
研究に携わった専門家今回の調査では、不妊治療は回数を重ねると、妊娠率が上がってくるというデータが得られたので、可能であれば複数回の治療を受けた方がよいとしています。
複数回の治療、経済的事情で断念する人も
アメリカでも不妊治療は非常に高額で、保険でカバーされる部分も、大抵は3サイクル目までで、しかも一部の費用に限られるため、1度の治療で妊娠に至らなければ、そのままあきらめる人が多いそうです。25%が初回のIVF終了後、33%が2回目のサイクルの後に治療を断念しているそうです。
今回の報告から専門家の中からは、各保険会社で今一度不妊治療に関する支給についての規定を見直して欲しいという要望も上がってきています。経済的な事情での不妊治療の断念は日本でも深刻です。少子化対策のためにも、安心して治療を続けられるようになるとよいですね。

Bloomberg ; Fertility Therapy Improves With Repeat Tries, Study Finds
http://www.bloomberg.com/news/2012-06-27/RESOLVE ; アメリカ不妊治療協会
http://www.resolve.org/