妊婦の深刻な問題、貧血症
ベトナムの研究者たちの10年以上にわたる取り組みによって、ベトナムの貧血症を持つ女性の割合が、2000年から現在までの間に25%から11%へと半減しました。
鉄分不足・貧血症は妊娠中の女性に起こりやすく、特に発展途上国では深刻な問題となっています。アフリカやインドでは、50%以上の女性が貧血症にかかっています。さらにインドにおいては、妊産婦死亡の約40%が貧血症によるものだと考えられています。
鉄分サプリの効果的な摂取方法
世界的にも知られている、貧血症を予防するための方法が「妊娠発覚後、毎日鉄分・葉酸を摂取する」というものです。しかしこの方法には、実際行うには難しいこともあるのです。
まず、発展途上国において妊娠が発覚するのは妊娠4~6ヶ月頃が多く、国によっては妊娠7~9ヶ月頃ということもあり得ます。そのため、すぐに鉄分・葉酸の摂取を始めたとしても効果が不十分な場合が多いのです。
また、国によってはそのようなサプリが充分に手に入らなかったり、あってもコストが高いということもあります。さらに鉄分の過剰摂取によって、吐き気や嘔吐などの副作用が出たり、血液濃縮による胎児への悪影響へとつながったりすることもあるのです。
そこで研究の末に発見されたたのが、「鉄分サプリは、少量を1週間に1度の摂取でも充分に効果がある」ということです。しかし条件として、「少なくとも妊娠3ヶ月前から摂取を開始する」必要があります。
その方法を続けた結果、妊婦の鉄分レベルが上昇し、低体重で生まれてくる子どもの数も減ったとのことです。
妊娠前からしっかり準備を
この方法は「少なくとも妊娠3ヶ月前から摂取を開始する」必要があるため、妊娠適齢期のすべての女性に対して取り組みが奨励されています。妊娠1~3ヶ月は胎児の発育に非常に大切な時期のため、妊娠前から準備を整えておくことが重要なのです。
備えあれば憂いなし、ですね。いずれは妊娠したいという方、今のうちから鉄分サプリの摂取を始めてみてはいかがでしょうか。

Iron and micronutrient-enriched foodstuffs can fight against anaemia
http://www.news-medical.net/news/20120606/