カロリーに気をつけた食事と適度な運動
2012年6月1日の日本経済新聞の記事によると、
「妊娠糖尿病」の妊婦が増加傾向にあることが報じられています。
「妊娠糖尿病」とは、
妊娠中にはじめて発見または発症した、
糖尿病にいたっていない「糖代謝異常(健常者より血糖値が高め)」のことで、妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれません。
妊娠中に血糖値が高いと、母体だけでなく、胎児にもさまざまな影響があることから、日本産科婦人科学会では、妊娠初期と中期に
「妊娠糖尿病」のスクリーニングをすることを推奨しており、その検査で、
「妊娠糖尿病」と診断された場合は、食事療法や運動などの指導が行われます。
また、食事と運動だけでは、血糖値をコントロールできない場合は、インスリンを処方する場合もあるそうです。
妊婦の約1割が「妊娠糖尿病」
「妊娠糖尿病」になりやすい危険因子としては、糖尿病の家族がいる人、肥満、35歳以上、巨大児分娩既往、先天奇形児の分娩歴、原因不明の習慣流早産歴や周産期死亡歴、強度の尿糖陽性もしくは2回以上反復する尿糖陽性、妊娠高血圧症候群、羊水過多症などがあるそうです。
ただ、
「妊娠糖尿病」を恐れて、食べずに痩せすぎていると、赤ちゃんが低体重で生まれてしまう可能性があります。低体重で生まれると将来、生活習慣病になってしまう可能性があることから、バランスの良い食事と、適度な運動を心がけることが大切です。
なお、
「妊娠糖尿病」は、出産後に治りますが、将来糖尿病を発症する確率が高いことが分かっているそうです。このため、
「妊娠糖尿病」と診断された場合は、1年に1度は血糖値を測るようにしましょう。
【妊娠糖尿病の診断基準】
75g糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
1.空腹時血糖値 ≧92mg/dl
2.1時間値 ≧180mg/dl
3.2時間値 ≧153mg/dl
【妊娠時に診断された明らかな糖尿病の診断基準】
1.空腹時血糖値≧126mg/dl
2.HbA1c≧6.5%(HbA1c(JDS)≧6.1%)註1
3.確実な糖尿病網膜症が存在する場合
4.随時血糖値≧200mg/dlあるいは75gOGTTで2時間値≧200 mg/dlの場合は空腹時血糖かHbA1cで確認し1、2の基準を満たした場合
妊娠中は、ちょっと食べただけでも体重が増え、毎回の検診が恐ろしいですね。「食べたら身体に負担がかからないように、適度な運動をする」を心がけて、楽しいマタニティライフを過ごしましょう。

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/ご参考:日本糖尿病・妊娠学会
http://211.16.227.160/jsdp/