妊娠中の食習慣による影響
7月23日、イスファハン大学(イラン)などの研究チームは、「Nutrition & Diabetes」にて、妊娠中の健康的な食習慣は妊娠糖尿病リスクを軽減すると発表した。
今回の研究では、妊活中、妊娠前、妊娠初期に地中海料理(地中海食)を多く摂取するほど、妊娠糖尿病リスクは低下したと報告されている。
妊娠前の健康的な食習慣と妊娠糖尿病の関係
妊娠糖尿病は、母子の健康に短期的および長期的に悪影響を及ぼす。近年、妊娠糖尿病の発症率は増加傾向にあるが、妊娠中の食事によって改善できるといわれる。
複数の先行研究では、地中海料理の摂取と妊娠糖尿病リスク低下の関連性があると報告されている。妊娠初期に地中海料理を摂ることで妊娠糖尿病の発症リスクは軽減できるという。なお、地中海料理は豆類、野菜、全粒穀物、一価不飽和脂肪酸を豊富に含み、乳製品、赤身肉や加工肉は制限されている。
そこで今回、研究チームは、学術文献データベース「PubMed」「Scopus」「Google Scholar」を用いてシステマティック・レビューおよびメタ分析を行い、地中海料理と妊娠糖尿病リスクにおける関係性を検証した。
調査を通じて、妊娠前・妊娠中の食事に地中海料理を取り入れることにより、妊娠糖尿病リスクは軽減すると示された。妊娠前および妊娠初期において地中海料理の摂取頻度が増えるほど妊娠糖尿病リスクは減り、地中海料理を食べる頻度が高い妊婦は妊娠糖尿病リスクが約36%低くなった。
(画像はNutrition & Diabetesより)
Nutrition & Diabetes
https://www.nature.com/articles/s41387-024-00313-2