不安やストレスの増大にもつながる
AFPBB Newsによると、米研究チームが米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に、ラットを使った実験結果を発表しました。
実験では、一般的に使われていた農薬「ビンクロゾリン」を暴露された妊娠中のラットと、農薬にさらされてないラットを比較。すると農薬を暴露されたラットは、そうではないラットと比べ、3世代後の子孫にまで不安やストレスが増大する影響がある事が判明したそうです。
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gabuken's photostream)
農薬が「卵子」や「精子」に影響を与える
米テキサス大学のデービッド・クルーズ(David Crews)氏の論文によると、今の私たちは農薬などの有害物質の影響を受けるようになってから、ちょうど3代目の世代に当たるそう。そのため
「自閉症や双極性障害などの精神障害が増大していることは疑いの余地がない」
としています。実験では、農薬を暴露されたマウスは、不安やストレス感度も大きく、新入りのラットや新しい環境への関心がより薄い結果も出たそうです。
このことから、
化学品への暴露が精子や卵子の遺伝子構造に変化を及ぼし、青年期になった子孫のストレス反応に影響を与える可能性がある
としつつも、
この実験の目的は人間へのリスクを見積もることではなく、農薬への暴露によって起こりうる問題を調べることにある
としています。この実験で使用した農薬「ビンクロゾリン」は、米国の農業で使用されていましたが、過去の研究で
テストステロンなどの男性ホルモンを模倣し通常の性的発育を阻害する恐れがある
と言うことが判明したため、その使用は減少していったそうです。
日本では、現在農薬を使う基準が法律できちんと決められているので、あまり心配をする必要はないようです。でも、生で食べる前は、しっかり洗ったりゆでたりして細菌や汚れを洗い流して食べましょう。

AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2879544/8987064?ctm_campaign=txt_topicsご参考:農林水産省 農薬について知りたい方へ
http://www.maff.go.jp/j/fs/f_nouyaku/index.html