欧州肥満学会の発表
2012年5月9日~12日に、フランス・リヨンにて第19回欧州肥満学会が開かれました。そこでオーストラリア・シドニー大学の医師Kyra Sim氏は、不妊治療中の肥満女性が減量することによって、妊娠確率が上がり、さらに1回の妊娠にかかる費用も節約できると発表しました。
気になる実験の内容は?
実験は、不妊治療中の37歳以下かつBMI指数が30kg/m2以上の49人の女性を対象として行われました。
そこからランダムに選ばれた27人の女性は、12週間の食事療法による減量に取り組みました。残りの22人の女性は、減量をした方がよいという忠告と、そのための参考資料を受け取りました。そして、その後12ヶ月の間に妊娠が起こったかどうかを調べたのです。
調査結果は以下のとおりです。
減量の忠告を受けただけの22人のグループでは、平均1.8kgの減量と1cmのウエストサイズダウンが見られ、食事療法に取り組んだ27人のグループでは、平均6.6kgの減量と9cmのウエストサイズダウンが見られました。そしてなんと、減量の忠告を受けただけのグループの妊娠確率が14%だったのに対し、食事療法に取り組んだグループの妊娠確率は48%と3倍以上となったのです。
さらに、食事療法に取り組んだグループでは肥満解消による新陳代謝、ホルモン、精神状態の改善も見られました。また、この減量によって、9360ドル(US)の妊娠費用の節約をしたことになるとのことです。
早いうちに肥満解消を
肥満は、実際に妊娠してからも問題となってきます。妊娠高血圧症候群、糖代謝異常、血栓症など、肥満妊婦に起こりやすい合併症は数多くあります。そのため、妊娠前に解消しておくことが望ましいのです。
必要な栄養はしっかり摂取しながら、無理のない減量ができるよう心がけましょう。

欧州肥満学会
http://www.eco2012.org/