ママにも赤ちゃんにもいいと分かってるけど、やっぱり不安
妊娠中の運動は、ママにも赤ちゃんにもよい、ということは広く知られていますが、実際には多くの妊婦さんが、妊娠中に運動することを怖いと思っていることが分かりました。
これは、アメリカのカンサス医学大学のメリッサ医師の研究チームが行った調査の結果です。メリッサ医師は実際に患者さんと接する中で、なぜ多くの女性が運動をしないかと不思議に思っていたそうですが、実際の調査結果には、やはり驚いたそうです。
2002年の調査でも妊娠中の運動は危険なしの結論
メリッサ医師はこの結果を、先日サンディエゴにあるアメリカ産科婦人科大学で行われたミーティングの時に発表しました。同大学では、趣味の範囲でもプロとしても運動している人では、妊娠に伴う合併症がない限り、医師が問題ないと判断すれば運動を続けてよいという意見を2002年に出しました。
これによると、医学的理由で医師のアドバイスがあった場合に運動を減らすのが目安とされていました。また、通常から運動週間のない女性は、妊娠してから運動をする場合、医師に相談するべきだとしています。軽めの運動を、30分程度、ほぼ毎日行うことは、妊娠合併症がない女性では安全だとしています。ただし、落下や転倒の恐れがあるもの、スクーバダイビングは行うべきではありません。
90人を対象にした調査で、妊娠判明後に運動を控えている現状が
今回の調査は、妊娠16週から30週の90人の女性に電話で行われました。調査したところ、多くの人が妊娠が分かると運動することをやめてしまっていました。これは、ウォーキングなど、誰もが安全と思っているものについても同じでした。
妊娠前は、半数の女性が1週間に少なくとも90分以上の運動を1回以上行っていましたが、このうちの約半分が妊娠判明後に運動をやめていました。妊娠中も運動していた人の6割程度は、30分以上の運動が安全であると考えていましたが、運動していない人ではこの割合は2割弱にとどまりました。
さらに、運動のタイプとしては、ウォーキングと水泳が妊娠中に適していると考えている人が多いことも分かりました。
運動が妊娠生活に悪影響を起こすのではないかという恐れは、母親や祖母の代に信じられていたことと関係があるのではないかとメリッサ医師は述べています。
現在では、このように多くの運動は妊娠に悪影響を与えず、むしろ妊娠中からの健康維持に役立つことが立証されているので、怖がることなく適度な運動を楽しみたいものです。

Web MD ; Many Pregnant Women Fear Exercising
http://www.webmd.com/baby/news/20120510/many-pregnant-women-fear-exerciseUniversity of Kansas School of Medicine
http://medicine.kumc.edu/