一年を通じたホルモン分泌・生産
2月2日、ワイツマン科学研究所の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、ホルモン生産・分泌は季節(春夏秋冬)による影響を受け、季節変化・季節変動パターンがあると発表した。研究論文は、「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」に掲載されている。
これまで、例えば、生殖ホルモン、ストレスホルモン「コルチゾール(副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種)」などのホルモンは、季節の影響は受けないと考えられてきた。
ホルモン分泌・生産における季節による変化
研究チームは、20歳から50歳までのイスラエル人男女を対象に血液検査を行い、コレチゾール、甲状腺ホルモン、生殖ホルモン、性ホルモン、成長ホルモンを含む11種類のホルモン量を測定し、ホルモン分泌・生産における季節による変化を検証した。
最終的には4600万人のデータを分析し、最大600万の異なる血液検査から各ホルモンの分泌・生産量を平均化したところ、全てのホルモンは季節によって変化し、年間を通じてホルモン分泌・生産は上昇・衰退を繰り返し、複数の分泌・生産のピークを迎えた。イスラエル人の場合、年間約5%の変動が認められた。
また、ホルモン分泌・生産のピークは、個々に異なるタイミングであったという。例えば、テストステロンとエストラジオールの場合、男性では1月にテストステロンの分泌・生産量が最高となり、その後、少し減少し、8月に再びピークに達した。女性におけるエストロゲンの分泌・生産量は、男性のエストラジオール分泌・生産パターンと同様であった。
研究チームは、ホルモン分泌・生産と季節変動には、人種による差異はあるものの、季節および環境によってホルモンの分泌・生産量は年間を通じて変化すると結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

Weizmann Institute of Science
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