無意識の進化的応答
2月9日、スウォンジー大学(イギリス)の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、母親の収入レベルと子供の指の長さには関連性があると発表した。研究論文は「Journal of Biosocial Science」に掲載されている。
母親の収入レベルが低い場合、ホルモンが調整されて子供は子宮内にて女性化(フェミナイズ)され、2D:4D比(示指環指比(じしかんしひ)/第2指・第4指比)は大きくなった。人差し指の長さは、薬指に比べて長くなった。
一方、母親の収入レベルが高く、平均以上である場合、子供は男性化(マスキュリナイズ)されると報告された。2D:4D比は小さく、人差し指と比べて薬指のほうが長かった。これは、子孫の生殖成功率を高めることを目的とした無意識の進化的応答であるという。
指の長さ比率と出生前のホルモン曝露量
指比では、人差し指(示指・第2指)と薬指(環指・第4指)の長さ比率が言及される。2D:4D比は、人差し指の長さを薬指の長さで割ることで求められる。人差し指が長い場合、2D:4D比は1より大きく、薬指が長い場合は1より小さくなる。
人差し指と比べて薬指のほうが長い2D:4D比は小さく、子宮内でのテストステロン曝露量が高いことを示す。人差し指のほうが長いと子宮内でのエストロゲン曝露量が高い。
母親の収入レベルと子供の親指の長さにおける関係性
研究チームは、2005年7月に実施された大規模オンライン調査「the BBC Internet Study」より世界の約200ヶ国25万人以上のデータを用いて、指比(各手指の長さ比率)である2D:4D比に基づき、母親の収入レベルと子供の親指の長さにおける関係性を検証した。
調査対象者は指比と母親の収入レベルについて回答した。母親の収入レベルが平均以上である場合、2D:4D比は小さく、人差し指より薬指のほうが長くなった。在胎期・出生前のテストステロン曝露量は、エストロゲン曝露量に比較して高く、子供は性別に関わらず、より男性化される。
一方、母親の収入レベルが平均以下である場合、2D:4D比は大きく、薬指より人差し指のほうが長くなった。在胎期・出生前のテストステロン曝露量は低く、エストロゲン曝露量が高くなり、胎児はより女性化された。
(画像はプレスリリースより)

Swansea University
https://www.swansea.ac.uk/