卵丘細胞microRNAと母体年齢
イタリア、ドイツの研究チームは、「Human Reproduction」にて、卵子の周りにある卵丘細胞におけるmicroRNA(miRNA:マイクロRNA)の発現は、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)による治療にて調節されるが、母体年齢と強い関連性をもつと発表した。
排卵障害の改善と高齢妊娠・出産の可能性
卵丘細胞は卵子を覆う細胞層であり、卵子が成熟するうえで重要な役割を担う。また、miRNAは排卵機能を制御し、排卵誘発に不可欠となる。
今回、研究チームが、排卵刺激を受ける女性53人を対象に、減数分裂中期の卵母細胞から卵丘細胞53サンプルを採取したところ、卵丘細胞のmiRNA発現、母体年齢およびゴナドトロピンによる排卵刺激に関連性が確認された。
母体年齢は、卵丘細胞のmiRNA発現に影響を与える独立因子であるが、一方、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)による刺激は、卵胞miRNA発現および体外受精効率に影響することが認められた。
miRNAの発現パターンおよび機能を理解することにより、排卵障害の新たな治療法を確立できる。合わせて、35歳以上の女性の生殖機能・能力を改善し、高齢妊娠・高齢出産の可能性を高めると期待される。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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