ストレスと不妊のミッシングリンク
オタゴ大学の研究チームは、「The Journal of Neuroscience」にて、ラボ試験レベルにて、ストレスを受けると脳の基部近くの神経細胞の集団「RFRPニューロン」が活性化し、生殖システムを抑制することが認められたと発表した。
RFRPニューロンはストレス時に活性化し、慢性ストレス状態に生殖機能を抑制する要因になるという。今回、ストレスと不妊におけるミッシングリンク(発見されていない関係性)が突き止められた。
生殖機能の抑制とRFRPニューロンにおける関係性
研究チームは、10年以上に亘って、哺乳類の生殖機能の抑制とRFRPニューロンにおける関係性を検証し続けてきた。RFRPニューロンは、ストレス時に活性化する。今回、最先端のトランスジェニック技術にて、RFRPニューロンの活性化が増すと生殖ホルモンが抑制されることを確認した。
ストレスホルモン「コルチゾール」を用いて、生殖ホルモンを抑制し、RFRPニューロンを静めたところ、生殖システムは、コルチゾールが全く存在しないかのように機能し続けた。コレチゾールは、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ストレスと受けると脳からの刺激によって分泌量が増える。
生殖ホルモンの抑制は、ストレスホルモン「コルチゾール」の曝露時に生じ、ストレスによる生殖システムの抑制において、RFRPニューロンが重要な役割を担うことを意味する。特に、女性は、男性と比べて顕著に認められた。
つまり、RFRPニューロンは、ストレス時、おそらく、コレチゾール分泌量の増加に伴って活性化し、生殖システムを抑制すると推測される。研究チームは、ストレスと不妊の因果関係にはRFRPニューロンが大きく関与し、RFRPニューロンの活性化を抑えることで、ストレスによる不妊を予防できると考える。
(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OTAGO
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