妊娠前のストレスによる危険性
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、「Psychoneuroendocrinology」にて、妊活中・妊娠前に母親がストレスを抱えることによって、子供の生物学的年齢が加速すると発表した。
生物学的年齢は、組織・細胞の老化の程度から求められるエピジェネティクス的年齢を意味する。今回、妊娠期の母親のストレスは、テロメアの長さに悪影響を及ぼすことが認められた。また、母親のストレスは、早産リスクを高める。
妊娠前のストレスと子供のテロメア
テロメアは靴紐の両端に付いている小さなプラスチック部分に似ており、染色体の末端にある小さなDNAを保護する。テロメアが短くなると、癌、心血管疾患などの疾患および早死のリスクを高めるといわれる。
これまで、複数の先行研究において、母親が妊娠超初期および妊娠後期にストレスを受けた場合、その子供(新生児期)のテロメアは短くなると報告されている。今回、研究チームは、7ヶ国母子111組を対象に妊娠期から幼児期(3~5歳)に亘って調査を行い、母親のストレスによる影響を検証した。
子供達の頬の内側から細胞サンプルを採取してテロメアを含むDNAを抽出し、テロメアの長さと在胎期に行ったストレス測定結果を比較した。妊娠期に母親がストレスを受け、子宮内にて母親のストレスに晒された子供は、在胎期にストレス曝露を受けていない同世代と比べ、テロメアが短くなっていた。
妊娠前の母親が受けたストレスは、妊娠中期・後期まで影響し、子供のテロメアを短くするリスクが増すことが確認された。
研究チームは、ストレスにより炎症および代謝活動が活性化し、DNAの損傷度合いが高まると推測する。テロメアは脆弱で損傷を受けやすく、細胞分裂前に損傷が修繕されなかった場合、損傷によってテロメアの長さが短くなるという。
合わせて、妊娠期の母親のストレスによって妊娠期間が短くなり、早産リスクが増すことが認められた。
(画像はプレスリリースより)

UCLA
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