妊娠期の仕事による影響
リーハイ大学(アメリカ)の研究チームは、「Review of Economics of the Household」にて、妊娠期に身体負担の掛かる仕事に就く女性は、巨大児リスクが増すと発表した。
巨大児とは、異常がなく、出生体重が4000g(8.8ポンド)以上の赤ちゃんと定義される。巨大児と成人期の過剰体重には関連性があり、過剰体重リスクが高くなる。
母親および胎児の健康状態、妊娠中の母親の仕事における関係性
先行研究では、ニュージャージー州の女性を対象に、自己報告による身体活動(仕事関連活動と余暇活動の総活動)に基づき、重い荷物の上げ下げ、長時間の立ち仕事など特定の仕事関連活動と巨大児リスクにおける関連性を検証した。
今回、研究チームは、ニュージャージー州保健省のデータを照らし合わせ、初めて、母親および胎児の健康状態、妊娠中の母親の仕事における関係性を調査した。
運動強度(代謝相当仕事量)「Metabolic Equivalent of Task(METs)」より代謝相当仕事量を客観的測定したところ、相対的に身体負担の掛かる仕事に就く女性は、巨大児が産まれる可能性が増すことが認められた。
調査を通じて、巨大児の危険因子である妊娠糖尿病、妊娠期の激しい身体活動における関連性が示唆された。特に、妊娠中の女性が中強度の身体活動を要する仕事に就く場合、巨大児が生まれる可能性は約1.5%高まった。さらに、妊娠期の仕事における高強度の身体活動では、巨大児リスクが17%増加した。
研究チームは、一因として、妊娠中の睡眠不足によって糖尿病が発症し、巨大児リスクを高めると推測する。身体的に負荷の掛かる仕事は睡眠の質に悪影響を及ぼし、睡眠不足と糖尿病には関連性がある。
Muzhe Yang教授は、妊娠期の身体的に負荷の掛かる仕事は、妊娠・出産リスクを高め、それゆえ、妊娠中の女性労働者に対する配慮が必要であると強調する。
(画像はプレスリリースより)

LEHIGH UNIVERSITY
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