妊娠期における電子タバコの危険性
ダラム大学の研究チームは、「EClinicalMedicine」にて、妊娠期の電子タバコ使用は有害であり、妊娠期の母親が電子タバコを使うことによって胎児はニコチンに晒されると発表した。
今回、初めて在胎期(出生前)の子供へのニコチン曝露による影響が調査された。電子タバコは一酸化炭素などの毒素を発生させず、タバコより有害性が低いと考えられがちである。しかしながら、タバコと同じく、ニコチンが含まれる。
胎児へのニコチン曝露による影響
研究チームは、生後1ヶ月の赤ちゃん83人を対象に、妊娠期の電子タバコ使用と胎児のニコチン曝露における関係性を検証した。被験者となる赤ちゃんの母親のうち、喫煙者は44人であり、29人が妊娠期に喫煙し、10人は妊娠期に電子タバコを使用していた。
妊娠期に電子タバコを使用した母親から誕生した子供、非喫煙者の母親から誕生した子供を比較したところ、出生体重・在胎期間・頭囲において差異は認められなかった。妊娠期の電子タバコ使用は、子供の出生体重・在胎期間・頭囲に対して影響を及ぼすことはなかった。
一方、妊娠期に喫煙していた母親から誕生した子供は、出生体重の低下、頭囲の縮小が顕著であった。
しかしながら、妊娠期の母親が喫煙(タバコ)および電子タバコを使用し、子宮内でニコチンに晒された場合、非喫煙者の母親をもつ子供と比べ、反射神経に異常が生じる傾向にあり、自己調整能力・自己調整能(自己の行動と感情をコントロールできる能力)が僅かに低下した。
妊娠期の電子タバコ使用により、胎児の発達は阻害され、赤ちゃんの手に指を置いてもギュッと握らない、頭を支えている手が突然離れた際に驚かないなど反射神経に異常が生じた。電子タバコはリスクフリーではなく、妊娠期の使用には危険性を伴うと結論付けている。
(画像はプレスリリースより)

Durham University
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