妊娠初期における感染の危険性
ローマ・ラ・サピエンツァ大学(イタリア)をはじめとした国際的な研究チームは、「Journal of Perinatal Medicine」(ドイツの学術出版社De Gruyter(デ・グロイター)社出版)にて、妊娠初期の女性が新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に感染することにより、流産率・死産率・新生児死亡率が高まると発表した。
新型コロナウイルス感染症は妊娠に悪影響を及ぼすという。特に、流産・死産・新生児死亡リスクを軽減させるうえで、妊娠初期における新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の感染防止が重要である。
新型コロナウイルス感染症が妊娠結果に与える影響
先行研究では、妊娠期の女性が新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に感染した場合、妊婦死亡率は比較的低いものの、症状の深刻化リスクが高くなったと報告されている。約11%が集中治療室に入院し、6.4%に挿管が施された。
今回、研究チームが、新型コロナウイルス感染症に感染した22ヶ国、388人の妊婦を対象にアンケート調査を実施したところ、新型コロナウイルス感染症は胎児に悪影響を及ぼすことが認められた。
妊娠初期(妊娠3ヶ月まで)の母親が新型コロナウイルス感染症に感染することにより、流産率、死産率、新生児死亡率(生後28日以内の死)が極めて高くなった。合わせて、妊娠期に母親が新型コロナウイルス感染症に感染し、深刻な症状から酸素療法が必要であった場合、低出産体重になった。
また、出生後、子供に対して検査を実施し、1人のみに陽性反応(無症状)が確認された。これより、研究チームは、新型コロナウイルス感染症の垂直感染・垂直伝播(親から子へ伝播)は稀であると推測している。
(画像はDe Gruyterより)

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