妊活・妊娠中の母親の食事による影響
コーネル大学の研究チームは、「Scientific Reports」(7月31日掲載)にて、妊活・妊娠中の母親が高脂肪食を多く摂取した場合、その子供は甘味嗜好となると発表した。
合わせて、高脂肪食を好む母親から誕生した子供は、成人後、高カロリー、高脂肪、砂糖・糖化製品を多く摂取する傾向にあり、不健康な食生活および肥満になると報告された。子供の味覚器官が甘味嗜好になると不健康な食生活および肥満リスクは高まる。
妊娠前・妊娠中の母親の食事と子供の味覚における関係性
研究チームは、マウスを用いた動物モデル実験を行い、妊娠前および妊娠中の母親の食事と子供の味覚における関係性を検証した。動物モデル実験を通して、母親の高カロリー、高脂肪、砂糖・糖化製品の多量摂取は、子供の不健康な食事との関連性が認められた。
実験では、交配前5週間の雌マウスに高カロリー食および高脂肪食、妊娠期から授乳期の雌マウスに高脂肪食を与えた。また、子マウスは、離乳後から性成熟に達するまで健康的な食事のみを摂取した。
交配を行える時期を迎えた子マウスに対して初めて高脂肪食を与えたところ、妊活・妊娠期の母マウスが高脂肪食を好み、高カロリー、高脂肪、砂糖・糖化製品を多量摂取した場合、子マウスの味蕾(舌にある味覚器官)は甘味を好む傾向になった。
性成熟した子マウスは高カロリー、高脂肪、砂糖・糖化製品など不健康な食生活を好み、肥満リスクは高まった。なお、性成熟を迎えるまで、子マウスが高脂肪食に晒されたのは、母親の胎内のみであった。
胎内にて高脂肪食の曝露を受けることにより、子供の脳および味蕾には物理的変化が生じるという。メカニズムの解明には至らなかったが、胎児のプログラミングから生じる代謝変化において、味覚嗜好性をもたらすと考えられる。
(画像はCORNELL UNIVERSITYより)

CORNELL UNIVERSITY
https://news.cornell.edu/Study Finds 0914
https://www.studyfinds.org/