年齢ごとの凍結胚移植の出生率
バルセロナ大学などスペインの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、35歳以下の女性において、凍結胚移植の出生率は、新鮮胚移植と比べて高くなると発表された。
一方、35歳以上である場合、凍結胚移植による大きな効果はなく、凍結胚移植と新鮮胚移植における出生率は大差なかったと報告された。
女性の年齢と凍結胚移植の出生率における関係性
研究チームは、1回目の胚移植1882件(2013年1月~2015年12月の間に実施)を対象に、被験者である女性を年齢ごと(35歳以下、35歳から38歳、38歳以上)に分類してスチューデントの独立標本t検定(平均値の比較)を行い、統計的に検定し、凍結胚移植の出生率と新鮮胚移植の出生率を比較した。
比較結果より、35歳以下の女性では、凍結胚移植による出生率が43.7%となり、新鮮胚移植の出生率(24%)と比べて顕著に高くなった。一方、35歳から38歳では、凍結胚移植の出生率(30.9%)、新鮮胚移植の出生率(29.3%)に大きな相違は認められなかった。
また、(統計)多変量ロジスティック回帰にて、複数因子(女性の年齢、排卵誘発剤、採卵数、胚移植数、高品質胚のパーセンテージ)が凍結胚移植の出生率に与える影響を解析した。
35歳以下の場合、複数因子は、凍結胚移植の出生率に対して肯定的な影響をもたらすが、35歳から38歳の女性、または38歳以上の女性では全く影響力をもたないことが判明した。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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