メトホルミン治療による効果
浙江大学医学部(中国)の研究チームは、「JAMA Network Open」にて、体外受精、顕微授精‐胚移植(ICSI-ET)を受ける多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性は、メトホルミン治療により、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が軽減されると発表された。
しかしながら、不妊治療中で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性に対してメトホルミン治療を行う場合、注意深く検討する必要がある。今回、体外受精、顕微授精‐胚移植を受けるPCOSの女性のうち、BMI値が26以上では卵巣過剰刺激症候群リスクが高まり、メトホルミン治療が適すると報告された。
PCOSに対するメトホルミン治療効果
研究チームは、ランダム化比較試験を用いてシステマティック・レビュー、メタ分析を行い、PCOSに対するメトホルミン治療による妥当性を検証した。
合わせて、最低1回は顕微授精-胚移植を受けた、不妊治療中のPCOS患者を対象にランダム化比較試験を実施した。データベース「PubMed」「Embase」「Cochrane」の約100文献(2020年1月~)を用いて、メトホルミン治療を要するPCOSの女性 (20~45歳)を対象に、妊娠率および出発率を調査した。
分析を通して、PCOSの女性において、メトホルミン治療と卵巣過剰刺激症候群の軽減に関連性が認められた。一方、妊娠率、出生率は改善されなかった。
また、PCOSの女性にメトホルミンを使用した場合、BMI値が26以上の女性において、卵巣過剰刺激症候群の可能性が低下した。PCOSかつBMI値が26以上の女性では卵巣過剰刺激症候群リスクが高まるが、メトホルミンによってリスクは軽減し、メトホルミン使用が流産率に与える影響はなかった。
(画像はJAMA Network Openより)

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