体外受精1サイクル目と子宮内膜スクラッチ
シェフィールド大学(イギリス)の研究チームは、体外受精を初めて受ける場合、子宮内膜スクラッチには体外受精の成功率を改善する効果はないと発表した。
子宮内膜スクラッチとは
子宮内膜スクラッチとは、体外受精を実施する数ヶ月前に患者の子宮内膜に小さな傷を付ける手法であり、体外受精の成功率が潜在的に改善するといわれる。
子宮内膜生検用の小さなチューブ(ストロー程度の大きさ)を子宮頚部から子宮内挿入し、子宮内膜を軽く傷つける。
子宮内膜の傷を回復させる過程において、子宮は特定の化学物質を分泌するが、専門家らは、この分泌される物質こそが受精卵の子宮内膜への着床を促し、受精卵の着床率および妊娠率、つまりは体外受精成功率を向上させると考える。
子宮内膜スクラッチが体外受精・顕微授精1サイクル目に与える影響
国立衛生研究所の医療技術評価プログラムの資金援助のもと、研究チームは、シェフィールド教育病院NHS基金トラストと共に、体外受精および顕微授精を初めて受ける女性1048人(37歳以下)を対象に、2016年から2019年に掛けて、子宮内膜スクラッチが体外受精成功率に対して与える影響を検証した。
子宮内膜スクラッチを併用する女性(523人)は無作為で選ばれ、体外受精および顕微授精の実施前に子宮内膜スクラッチを行った。
子宮内膜スクラッチに着目した先行研究では、1回以上の体外受精および顕微授精を経験し、なかなか妊娠に至らない女性は、子宮内膜スクラッチの併用にて体外受精による妊娠率が29%から49%に倍増したと報告されている。合わせて、出生件数は23%から42%の増加が認められた。
一方、今回の調査を通して、子宮内膜スクラッチの実施グループ、子宮内膜スクラッチの未実施グループにおいて、妊娠率(42.6%と40.6%)、出生率(38.6%と37.1%)と大差なかった。
(画像はSheffield Teaching Hospitals NHSより)

Sheffield Teaching Hospitals NHS
https://www.sth.nhs.uk/news/news?action=view&newsID=1231The University Of Sheffield
https://www.sheffield.ac.uk/Medical Dialogues
https://medicaldialogues.in/