妊娠期のコリン摂取による効果
コロラド大学アンシュッツキャンパスの研究チームは、「Journal of Psychiatric Research」にて、妊娠期の母親がコリンサプリメントを摂取することにより、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)を含むウイルス性呼吸器感染症が子供にもたらす否定的影響を緩和できると発表した。
コリンはビタミンB群に分類される。ビタミンBは食品や栄養補助食品に含まれ、胎児脳の発達にとって非常に重要な栄養素となる。
子供の出生前コリン濃度とウイルス性呼吸器感染症が胎児脳の発達に及ぼす影響における関係性
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、ウイルス性呼吸器感染症と同様に、新型コロナウイルス感染症も胎児脳の発達に対して影響を与えると予測される。
研究チームは、ウイルス性呼吸器感染症に感染した母親から誕生した子供を対象に、子供の出生前コリン濃度とウイルス性呼吸器感染症が胎児脳の発達に及ぼす影響における関係性を検証した。
乳児の行動チェックリスト(IBQ-R)にて注意力の発達や自己制御などを測定し、乳児の行動への影響を分析したところ、出生前コリン濃度が高い子供はIBQ-Rスコアが高くなり、ウイルス性感染症が胎児に及ぼす影響が緩和することが認められた。なお、1歳の段階でのIBQ-R低スコアは、幼児期の注意・社会的行動の問題に関連する。
研究チームは、母親が妊娠初期にウイルス性呼吸器感染症に感染した場合であっても、妊娠期の母親がコリンを摂取し、胎児の出生前コリン濃度が高くなるとウイルスによる影響から発達中の胎児脳を守ることができると結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

University of Colorado Anschutz Medical Campus
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