妊娠期の母親が受けるストレスと子供への長期的影響
マギル大学の研究チームは、「Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry」にて、妊娠期に母親が受けるストレスは、子供のメンタルヘルスに直接的な影響を与えると発表した。
現状、妊娠期の鬱・不安・ストレスを軽減する精神的ケア・サポート、および妊娠期のストレスに対する精神的ケア・サポートを受ける母親と子供への長期的な影響を検証する研究論文は少ない。
子供のメンタルヘルスには、遺伝・性別・産後の養育環境を含む複数の要因が影響するが、妊娠に伴うストレスに新型コロナウイルス感染症の感染拡大といった特定の環境逆境が組み合わさり、ポスト・コロナ時代に誕生する子供は、これまで以上にメンタルヘルスの課題が大きくなる。
妊娠期のストレスに対するサポートの重要性
研究チームは、プロジェクト「DREAM-BIG(Developmental Research in Environmental Adversity, Mental health, BIological susceptibility and Gender)」の一貫として、妊娠期の母親が受けるストレスと子供への長期的影響を検証した。
生涯に亘るメンタルヘルスの基盤は人生の最初の数年にて築かれるが、妊娠期の母親が精神的に健康な状態であることが重要な要因である。通常時であっても妊娠には不安・心配、ストレスが伴い、特に、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の感染拡大が続く状況下において、妊娠期の母親が受けるストレスは大きくなる。
妊娠期における母親の全体的な感情に関連する一般的な情緒症状より、4歳から8歳に現れるメンタルヘルス問題を予測できる。メンタルヘルス障害のうち約50%は5歳前に現れたが、一方、17%は成人前に確認された。
生涯に亘るメンタルヘルスの基盤は人生の最初の数年にて築かれるが、出生前(在胎期)に基盤の一部は構築されていると考えられ、研究チームは、妊娠期特有の不安・心配を含め、妊娠期における医療介入が重要であると強調する。
(画像はScienceDirectより)

ScienceDirect
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