卵胞刺激ホルモンの効果
モデナ・レッジョ・エミリア大学(イタリア)の研究チームは、「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」にて、たとえ、エビデンスレベルが弱いとしても、卵胞刺激ホルモン(FSH)は精子生産量を増加させ、男性不妊の治療に有益であると発表した。
病態生理学的証拠に基づき、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)にて精子形成を刺激できると報告された。
システマティックレビューに基づくエビデンス
研究チームは、医学文献データベース「PubMed」を用いて、卵胞刺激ホルモン作用の遺伝的根拠、精子形成における卵胞刺激ホルモンの役割、男性不妊に対する影響に関する研究論文(2020年1月まで)を対象にシステマティックレビューを実施した。
卵胞刺激ホルモンによる治療は、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に効果が認められるが、原因不明の男性不妊に対する治療効果は疑わしい。アプローチは限定的であり、男性不妊のスキームを低ゴナドトロピン性性腺機能低下症から取り入れ、女性不妊に対する生殖補助医療と同様に過剰刺激しない。
また、卵胞刺激ホルモンの効果は血清レベルだけでなく、個体に基づき、遺伝子バリアントはホルモンレベル・活性・受容体反応を決定できる。FSHB遺伝子とFSHR遺伝子の一塩基多型(SNPs)が認められ、精巣の容積と精子の生産量に影響を与える。
(画像はJCEMより)

JCEM
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