新型コロナウイルス感染による影響
Instituto de Saude Publica da Universidade do Porto(ISPUP:ポルトガル)の研究チームは、「meRxiv」にて新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)が妊娠に与える影響を発表した。
今回の調査では、医学文献データベース「PubMed」を用いて妊娠中の女性に関する研究論文を検索し、2020年4月8日までに新型コロナウイルス感染症と診断された妊婦に関するデータ(症状の程度、論文の言語は不問)を洗い出した。
感染により母子に対するリスク増加
研究論文30件から新型コロナウイルスに感染した妊婦212人(22~41歳、中国200人、他12人)を対象に、新型コロナウイルス感染症が妊娠に与える影響を調査したところ、調査を通して、出産182件(双子4件、死産1人)、誕生した新生児185人と報告された。
被験者の大半は妊娠後期に感染が判明し、うち30人は妊娠中に退院している。分娩に関しては帝王切開が大部分を占め、約30%が早産であったが新型コロナウイルス感染症との因果関係は不明である。
また、妊婦4人は深刻な症状に陥り、集中治療が必要とされたが、妊産婦死亡の事例は報告されなかった。一方、新生児死亡は1件であった。
深刻なSARSコロナウイルス(SARS-CoV)の女性より羊水、胎盤、臍帯血を採取して検査したところ、陰性反応でSARSコロナウイルス(SARS-CoV)は検出されなかった。合わせて、深刻な症状であった女性13人の母乳からもウイルス感染は認められなかった。
しかしながら、中国にて誕生した新生児から生後2日目および4日目に鼻咽頭および肛門スワブを採取し、検査を実施したところ、約2.2%に陽性反応が確認された。研究チームは、非常に小規模調査ではあるものの、妊娠期の新型コロナウイルス感染は、妊娠中の女性に対するリスクを増加させ、妊娠結果にも影響を及ぼすとの見解を示している。
(画像はプレスリリースより)

medRxiv
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