DNAメチル化変化と早産
カロリンスカ研究所(スウェーデン)は、「Genome Medicine」にて、DNAメチル化変化は胎児の器官の発達に影響を与え、母親の妊娠期間および胎児の在胎期間を左右すると発表した。
DNAメチル化はDNAの化学変化であり、遺伝子の活性化と特定のタンパク質の形成を促す。出産時に確認できるDNAメチル化は、大半が幼少期まで残らずに消滅するといわれるが、17%はレベルも変わらず、出生から成人まで残る。今回、臍帯血のDNAメチル化変化が早産の一因に成り得ると報告された。
妊娠期間とDNAメチル化変化における関係性
早産は妊娠37週未満の出産であり、早産児、特に超早産児では呼吸器および肺疾患、視力障害、神経発達障害のリスクが高まる。胎児の発育・成長をコントロールするうえで、在胎期間中、DNAの化学修飾などエピジェネティックなプロセスは重要である。エピジェネティックな要因としては、DNAメチル化が挙げられる。
研究チームは、臍帯血にあるCPG(頸・腰髄膨大部に存在する歩行、呼吸、咀嚼運動などのリズミックなパターン運動を惹起する神経回路網)のメチル化は、妊娠期間(出産の妊娠週数)によって異なり、組織を越えて胎児の発達プロセスを反映していると考える。
(画像はプレスリリースより)

Karolinska Institutet
https://news.ki.se/Genome Medicine
https://genomemedicine.biomedcentral.com/