家庭用有害化学物質の曝露による影響
オハイオ州立大学の研究チームは、「Clinical Pediatrics」にて、家庭用洗浄剤などに含まれる有害化学物質に晒されることにより、2歳までの言語発達が遅延すると発表した。合わせて、認知発達検査スコアも低くなると報告された。
子供の言語・認知スキルは母親の教育・所得と関係性があり、言語および認知発達の遅れは、母親の教育・所得などの要素を考慮に入れると明白となった。
また、同大学の論文主著者であるホイ・ジアン(Hui Jian)氏は、今回の研究結果より、小児科医などの医療提供者は、幼児の親に対して、家庭用有害化学物質の使用を控えるように指導する必要があると述べる。
家庭用有害化学物質と子供の言語・認知発達における関係性
研究チームは、クレーンセンター研究プロジェクト「Columbus Study」(オハイオ州コロンバス・低所得層の子供を出生後から5歳まで調査)から家族190組を対象に、家庭用有害化学物質と子供の言語・認知発達における関係性を検証した。
母親に対して、妊娠期、子供が20ヶ月から25ヶ月の間に家庭用有害化学物質(床・トイレ洗浄剤、溶剤など)の使用についてアンケート調査を実施した。また、認知機能テストを使用し、子供の言語理解・表現を評価した。
調査結果より、産後、洗浄剤など家庭用有害化学物質を使用する傾向が高く、家庭用有害化学物質の使用頻度に伴い、2歳までの子供の言語・認知機能が低下することが認められた。一方、妊娠期における使用および在胎期の曝露と子供の言語・認知機能の低下に関係性はなかった。
研究チームは、妊娠期は胎児への化学物質による曝露を非常に注意するが、子供が誕生すると化学物質の曝露は無関係であると考える傾向にあると指摘する。
(画像はプレスリリースより)

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