妊娠高血圧症候群リスクの季節による変化
オーフス大学病院(デンマーク)などの研究チームは、「Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica」にて、妊娠高血圧や子癇前症を含む妊娠高血圧症候群の発症リスクが、季節の影響を受け、変化すると発表した。
春および初夏に妊娠した女性は、妊娠高血圧症候群リスクが高くなり、一方、冬に妊娠した女性は妊娠高血圧症候群リスクが低くなると報告した。
妊娠高血圧症候群リスクと季節およびビタミンD量
研究チームは、女性50665人を対象に、妊娠高血圧症候群リスクの季節による変化を検証した。被験者のうち8.5%は、妊娠高血圧症候群と診断されていた。
調査結果より、春および初夏に妊娠が成立した場合、妊娠高血圧症候群リスクは顕著に高くなった。また、秋に妊娠した女性における妊娠高血圧症候群リスクは、春および初夏の妊娠に次いだ。一方、妊娠高血圧症候群リスクが最も低くなる条件は、冬の妊娠であった。
これまで、ビタミンDは、高血圧症候群を引き起こす要因として考えられてきたが、今回の研究を通して、妊娠高血圧や子癇前症を含む妊娠高血圧症候群の発症リスクにビタミンDが関与することが立証された。
研究チームは、季節によるビタミンD量の差異が妊娠高血圧症候群リスクに影響を与え、妊娠高血圧症候群の発症リスクにおいて季節的な変化が生じると結論付けている。
(画像はObstetrics&Gynaecologyより)

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