超加工食品と生殖機能・能力
6月9日、ロチェスター大学メディカルセンター(アメリカ)などの研究チームは、「frontier」にて、超加工食品の摂取によって女性不妊リスクが増すと示した。
超加工食品(糖分・塩分・脂肪を多く含み、保存料が添加されている加工済み食品)の摂取と女性不妊には関連性があり、超加工食品の摂取量が多いほど女性不妊を発症しやすくなるという。
超加工食品の摂取と女性の生殖機能・能力における関係性
これまで、超加工食品の摂取が男性の生殖機能・能力に対して悪影響を及ぼすと報告されている。日常的に多くの超加工食品を摂取する男性は、精液に異常が生じやすくなる。一方、超加工食品の摂取と女性の生殖機能・能力における関係性は不明である。
そこで今回、研究チームは、「National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)」(2013~2018年)を用いて、女性(18~45歳)を対象に「24時間思い出し法(一定期間の過去に摂取したものを対象者に思い出してもらう方法)」を行い、超加工食品の摂取が女性の生殖機能・能力に与える影響について検証した。
調査時点から24時間分の食事調査に基づき1日の総エネルギー摂取量に対して超加工食品および非加工食品が占める割合を算出したところ、生殖適齢期の女性では、超加工食品の摂取と女性不妊において関連性が認められた。
超加工食品の摂取量が多い女性は、超加工食品の摂取量が少ない女性と比べて不妊を発症する可能性が増したという。この関連性にはBMIが関与し、BMIが高く、超加工食品の摂取量が多いほど女性不妊を発症しやすい。
一方、非加工食品の摂取量と女性不妊には関連性がないと示された。非加工食品の摂取量が多い女性、摂取量が少ない女性において、不妊オッズに相違は認められなかった。なお、非加工食品は、野菜、果物、肉、魚など自然のまま、あるいは最小限の加工のみが施された食品を指す。
(画像はfrontierより)

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https://www.frontiersin.org/