調節卵巣刺激法が新鮮胚移植の結果に対して与える影響
5月3日、中国の研究チームは、「BMC Pregnancy and Childbirth」にて、新鮮胚移植において、調節卵巣刺激法の周期数は、妊娠転帰に悪影響を及ぼさないと示した。
なお、調節卵巣刺激法(COS)では、体外受精・胚移植に伴いゴナドトロピン製剤などを投与して複数卵胞を発育させる。
調節卵巣刺激法の周期数と卵巣予備能、妊娠転帰
研究チームは、2015年1月から2021年3月の期間、不妊女性39641人(新鮮胚を用いた体外受精/顕微授精45555件)を対象に、調節卵巣刺激法が卵巣予備能および臨床妊娠転帰に対して与える影響について検証した。
調節卵巣刺激の周期数より被験者を5グループに分け、胞状卵胞(AFC)・抗ミュラー管ホルモン(AMH)にて卵巣予備能を測定し、臨床妊娠率・出生率・早期流産率に基づき臨床妊娠転帰を評価したところ、調節卵巣刺激の周期数が異なる集団では、周期数と妊娠転帰において関連は認められなかった。
調節卵巣刺激の周期数は、妊娠転帰に有意な影響を及ぼさないという。ただし、年齢、BMI、胚移植数などの因子は、妊娠転帰と有意な関連があると示された。
一方、調節卵巣刺激の周期数が同じ集団の場合、5周期以下では、卵巣予備能を損なう可能性は低いと報告された。また、4周期以下は臨床妊娠転帰に肯定的な影響をもたらし、潜在的な累積効果が得られると示唆された。
(画像はBMC Pregnancy and Childbirthより)

BMC
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