新鮮精子および凍結融解精子を用いた顕微授精
10月21日、マルテペ大学(トルコ)の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、非閉塞性無精子症において、新鮮精子および凍結融解精子を用いた顕微授精(ICSI)の受精率、妊娠率に相違は認められないと発表した。
非閉塞性無精子症の場合、顕微鏡下精巣精子採取術(Micro-TESE:精巣からの精子採取手術)にて回収した精子の凍結保存は、顕微授精の受精率、妊娠・出生率に対して影響を与えないという。
凍結融解精子が胚の品質、受精率、妊娠率に対して与える影響
研究チームは、非閉塞性無精子症の男性223人を対象に顕微鏡下精巣精子採取術にて精子を採取し、凍結融解精子が胚の品質、受精率、妊娠率に対して与える影響について検証した。
胚の分割段階と等級、受精率、妊娠率に基づき、新鮮精子および凍結融解精子を用いた顕微授精結果を比較したところ、新鮮精子と凍結融解精子において、Day3胚(受精後3日目の胚)の総数、卵割胚の数に相違が認められた。
一方、第二分裂中期卵子(二次卵母細胞)の数、胚のグレード、受精率、妊娠率、出生率は大差なかったという。
これより、非閉塞性無精子症の場合、精子の凍結保存は、顕微授精の受精率、妊娠・出生率に対して影響を与えないといえる。新鮮精子および凍結融解精子を用いた顕微授精(ICSI)において、受精率や妊娠率はほぼ同じである。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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