胚移植の妊娠可能性
9月17日、ラドバウド大学(オランダ)の研究チームは、プレスリリースにて、体外受精において、胚の培養日数は胚移植の妊娠可能性に影響しないと発表した。
受精後3日目の胚移植および受精後5日目の胚移植は、妊娠可能性に大きな差異はないという。なお、研究論文は「the bmj」に掲載されている。
胚の培養日数と胚移植の妊娠可能性
従来の体外受精では、受精後3日間、体外培養した胚を子宮に戻す。しかしながら、近年は、医療技術の進歩によって受精後5日目までの胚を用いた胚移植が可能になり、体外受精の妊娠可能性は高まりつつある。
また、先行研究では、凍結融解胚移植は除外されていたものの、1回目の新鮮胚移植の場合、受精後3日目の胚よりも受精後5日目の胚のほうが胚移植の成功可能性が高いと示された。
そこで今回、研究チームは、オランダの不妊治療センター21機関にて女性1200人以上を対象に胚の培養日数と胚移植の妊娠可能性における関係性を検証した。受精後3日目の胚移植、受精後5日目の胚移植の妊娠可能性を比較したところ、両群ともに妊娠可能性は約60%であった。
あわせて、受精後5日目の胚移植は、受精後3日目の胚移植と比べて流産率は低くなり、妊娠可能性は高まることが認められた。一方、受精後3日目の胚を移植する場合、受精後5日目の胚より多くの胚を凍結保存でき、早産リスクはいくらか低下した。
研究チームは、受精後3日目の胚、受精後5日目の胚ともに利点と欠点はあるものの、全体的な妊娠可能性には影響しないと考える。
(画像はプレスリリースより)

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