選択的単一胚移植に対して影響を与える要因
8月19日、中国の研究チームは、「Scientific Reports」にて、体外受精および顕微授精において、選択的単一胚移植(eSET)の臨床妊娠率と継続妊娠率は、34歳以降、女性の年齢上昇に伴い低下すると発表した。
37 歳未満は単一胚移植を優先し、38歳以上では胚盤胞を用いた選択的単一胚移植が推奨されるという。
女性の年齢と選択的単一胚移植1サイクル目の妊娠・出生率
研究チームは、2016年9月1日から2022年5月31日の期間、中国の医療機関にて体外受精および顕微授精を受けた女性7089人を対象に後向きコホート研究を行い、女性の年齢が選択的単一胚移植結果に対して与える影響について調査した。
女性の年齢と選択的単一胚移植1サイクル目の臨床妊娠率と継続妊娠率における関係性を検証したところ、年齢の上昇に伴い、臨床妊娠率と継続妊娠率は下がることが認められた。
34歳以上では、年齢が1歳増えるごとに臨床妊娠率は15%、継続妊娠率では16%低下した。また、35歳から37歳の場合、選択的単一胚移植の継続妊娠率は52.4%となり、胚盤胞を用いた胚移植は、卵割胚と比べて継続妊娠率が高まると報告された。この傾向は、年齢が上昇するほど顕著になるという。
それゆえ、研究チームは、37歳未満の女性に対して単一胚移植を優先し、38歳以上では胚盤胞を用いた選択的単一胚移植を推奨する。
(画像はscientific reportsより)
scientific reports
https://www.nature.com/articles/s41598-024-70249-1