絨毛膜羊膜炎を伴わない早産
11月7日、アメリカの研究チームは、「eBioMedicine」にて、インターロイキン-6(IL-6R)を遮断することにより、無菌羊膜内炎症を伴う自然発症早産を防げると発表した。
無菌羊膜内炎症におけるIL-6RとIL-1αの役割
絨毛膜羊膜炎では卵膜(絨毛膜・羊膜)にて細菌感染が引き起こり、早産が発生しやすくなる。
一方、無菌羊膜内炎症(SIAI)は細菌が関与しない無菌性炎症とされる。これもまた、早期陣痛を誘発するため、自然発症早産が起こりやすい。しかしながら、炎症の原因は不明であり、現在、無菌羊膜内炎症を伴う自然発症早産に対する治療法は確立されていない。
そこで今回、研究チームは、遺伝子改変モデル「C57BL/6マウス」を用いて無菌羊膜内炎症におけるインターロイキン-6(IL-6R)ならびにインターロイキン-1α(IL-1α)の役割を評価した。
生後8週から12週のメスC57BL/6マウスをオスと交配させたところ、無菌羊膜内炎症では検出可能な細菌が存在しないにも関わらず、高濃度IL-6が存在することが確認された。また、IL-6Rを遮断したところ、IL-1αによって引き起こされる早産ならびに新生児死亡率の減少が報告された。
(画像はeBioMedicineより)
eBioMedicine
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