ウォーキングが妊娠に与える影響
8月17日、ニューハンプシャー大学の研究チームは、歩きやすい地域に住む妊婦は日常生活で歩く機会が多く、早産、低出生体重児、妊娠糖尿病、高血圧リスクが軽減すると発表した。
歩道、公園、遊歩道が多く、歩行環境が整備されている地域では歩きやすいというだけでなく、歩く行為が促進される。その結果、歩きやすい地域に住む妊婦は体を動かす傾向にあり、母子の健康が向上するという。
なお、研究論文は「Economics and Human Biology」に掲載されている。
居住環境の歩きやすさと妊婦の運動量における関連性
妊娠糖尿病は低出産体重児や早産のリスクを高め、妊娠合併症を引き起こす。それゆえ、妊娠中は、ウォーキングなどの中程度の運動をすることが理想とされる。
今回、居住環境の歩きやすさと妊婦の運動量には関連性が認められた。「Walkability Index(不動産の立地環境や周辺の都市アメニティ充実度を表す指標)」が10ポイント上昇すると、1週間あたりの運動量が70分以上増えるという。
また、正期産の可能性は0.8%高まり、妊娠数週(在胎期間)は0.07週延長される。出生体重は27g増加し、妊娠糖尿病リスクは27%、高血圧リスクでは16%減少する。
ウォーキングと妊娠中の体重増加における関連性は不明であるものの、研究チームは、ウォーキングが妊娠に与える影響は有益であると結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

University of New Hampshire
https://www.unh.edu/