乳幼児期の睡眠を予測する指標
5月29日、デンバー大学などアメリカの研究チームは、「SLEEP」にて、新生児の毛髪中コルチゾール濃度から睡眠が推測できると発表した。
妊娠中の母親においてコルチゾール増加は正常なことであり、出産に向けて重要な準備といえる。しかしながら、今回、新生児の毛髪に含まれるコルチゾール濃度が高いほど、入眠時間が長くなる傾向にあると報告された。
なお、学会発表は、6月6日、第37回APSS年次総会「SLEEP 2023」(6月3~7日、米インディアナポリス)にて行われる。
毛髪中コルチゾール濃度と乳幼児期の睡眠における関係性
子供の睡眠は、身体的ならびに精神的な成長に大きな影響を与える。それゆえ、乳幼児期の睡眠健康を評価する指標を特定することは、子供の成長にとって重要である。
そこで、研究チームは、親子70組を対象に、生後数日の子供から毛髪サンプルを採取して毛髪中コルチゾール濃度を測定した。
あわせて、子供が生後7ヶ月の時点で両親に対して簡易版乳児睡眠調査票「Brief Infant Sleep Questionnaire(BISQ)」を実施し、睡眠時間、中途覚醒時間、中途覚醒の回数・頻度、入眠時間など子供の睡眠を評価した。
この結果、毛髪中コルチゾール濃度が高いほど子供の寝つきが悪く、布団に入ってから実際に眠りにつくまでの時間が長くなることが認められた。一方、毛髪中コルチゾール濃度は、睡眠時間、中途覚醒時間、中途覚醒の回数・頻度との関連性は確認されなかった。
(画像はSLEEPより)

SLEEP
https://academic.oup.com/ SLEEP 2023
https://www.sleepmeeting.org/