妊娠期の食事が胎児に与える影響
2月14日、コロラド公衆衛生大学院(アメリカ)などの研究者らは、「The Journal of Nutrition」にて、妊娠中の食事が乳幼児期における子供の肝脂肪に影響を及ぼすと発表した。
今回、妊娠期における母親の食事の質と、乳幼児期における子供の肝脂肪に関連性が認められた。妊娠中の母親が栄養バランスの悪い食事を摂るほど乳幼児期における子供のインスリン抵抗性(感受性)は高まり、肝臓に脂肪がたまって非アルコール性脂肪性肝疾患リスクが増すと報告された。
妊娠期における母親の食事と乳幼児期における子供の肝脂肪
研究チームは、母子278組を対象に、妊娠期における母親の食事が乳幼児期(4~8歳、平均5歳)における子供の肝脂肪に対して与える影響を検証した。
被験者の母親に対しては、24時間思い出し法(一定期間に摂取したものを思い出してもらう方法)にて妊娠中の食事内容を平均3回聞き取り、食事パターンや栄養を評価した。あわせて、乳幼児期の子供には、肝脂肪のMRI(核磁気共鳴画像診断)を行った。
妊娠期の母親が食物繊維を豊富に含む食事を摂っていた場合、乳幼児期の子供の肝脂肪は低くなった。
一方、妊娠期の食事を通して砂糖や添加糖の摂取量が多い場合、1日あたりの砂糖摂取量が5%増えるごとに乳幼児期の子供の肝脂肪は増加した。
同様に、緑野菜やマメ科植物の摂取量が少ない、エンプティカロリー(高カロリーにも関わらず身体に必要な栄養素が極端に少ない食品)の摂取量が多い食事も子供の肝脂肪を増やすという。
(画像はThe Journal of Nutritionより)

ScienceDirect
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