抗ミュラー管ホルモンによる影響
2月6日、アメリカの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、ゴナドトロピン刺激子宮内授精サイクルにおいて、抗ミュラー管ホルモン(AMH)が子宮内膜の発達に影響を与えると発表した。
ただし、子宮内膜の厚さは、臨床妊娠の可能性との関連性はないという。
抗ミュラー管ホルモンと子宮内膜の発達における関係性
ゴナドトロピン刺激子宮内授精では、排卵作用のあるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を投与して排卵を誘発し、排卵日に合わせて、精子を子宮内に注入する。ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)による排卵誘発と人工授精にて妊娠を試みる。
研究チームは、ゴナドトロピン刺激子宮内授精を受ける女性964人(1926サイクル)を対象に、抗ミュラー管ホルモンがhCGトリガー前後の子宮内膜の厚さに与える影響を検証した。
hCGトリガー日(投与日)では、抗ミュラー管ホルモンと子宮内膜の厚さにおいて弱い相関関係が報告された。潜在的交絡因子(相関に何らかの影響を及ぼしうる外部因子・それ以外の要素)を調整すると、正の相関関係が有意になるという。
同様に、抗ミュラー管ホルモンとhCGトリガー前の子宮内膜の厚さは相関関係にあった。抗ミュラー管ホルモンは、卵巣予備能(卵巣機能)を表す指標といわれる。
ただし、特発性不妊症の場合を除き、子宮内膜の厚さは、臨床妊娠の可能性と有意な関連性はないことが認められた。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Genetics」より)
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