早産によるリスク
3月30日、フィンランド労働衛生研究所(フィンランド)は、プレリリースにて、早産により、成人期に喘息ならびに慢性閉塞性肺疾患(COPD)になる可能性が高くなると発表した。
早産は妊娠37週未満の出産と定義される。早産児は呼吸器系疾患リスクが増加するといわれるが、今回、早産児のなかでも超早産児(妊娠28週未満に出産)は、喘息またはCOPDリスクが最も高く、満期産児(妊娠39~41週の出産)と比べて約3倍であると報告された。
なお、慢性閉塞性肺疾患とは胚の生活習慣病とも言われ、肺が炎症を起こして呼吸がしにくくなる疾患である。
妊娠期間と呼吸器疾患リスクにおいて関連性
フィンランドの出生登録(1987~1998年)およびノルウェーの出生登録(1967~1999年)に基づく調査より、妊娠期間(在胎期間)と呼吸器疾患リスクにおいて関連性が認められ、妊娠期間が長いほど呼吸器疾患リスクは低下することが判明した。
一方、早産では、成人期に喘息ならびに慢性閉塞性肺疾患(COPD)になる可能性が高くなった。なかでも、乳幼児期に気管支肺異形成症(早産児に典型的な新生児慢性肺疾患)を患っていた場合、呼吸器疾患リスクは最大8倍であった。
ただし、妊娠37週から38週に近い早産では、正期産と比べて呼吸器疾患リスクは僅かに増加したという。また、早産児の呼吸器疾患リスクにおいて、性別による相違は認められなかった。
(画像はFinnish Institute for Health and Welfareより)
Finnish Institute for Health and Welfare
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