ヒト受精の基礎となる新たなタンパク質不妊治療結果の改善
9月7日、シェフィールド大学(イギリス)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、ヒト受精の基礎となる新たなタンパク質「MAIAタンパク質」を発見したと発表した。
現在、不妊カップルの半数以上が原因不明といわれる。それゆえ、MAIAタンパク質の発見によって不妊治療に対する理解が深まり、新たな治療法の開発が期待される。なお、研究論文は「Science Advances」にて掲載されている。
MAIAタンパク質が受精において果たす役割
今回の研究は世界で初めての試みとなる。研究チームは、数千個の人工ビーズを用いて人工的に卵母細胞を作成した。各ビーズは表面にペプチドとして知られる異なるタンパク質片を持ち、それが精子と結合するという。
実験を通じて、精子が特定のタンパク質「MAIAタンパク質」に対応するビーズと結合することが確認された。MAIAの対応遺伝子をヒト培養細胞に挿入したところ、自然な受精プロセスと全く同じ方法にて精子を受け入れるようになった。
これより、MAIAタンパク質は、精子を卵細胞質に引き込む役割を果たすことが認められた。
(画像はプレスリリースより)

The University of Sheffield
https://www.sheffield.ac.uk/