子宮筋腫および子宮平滑筋腫における細胞不均一性
8月24日、アメリカの研究チームは、「Human Reproduction」にて、シングルセル解析により、子宮筋腫(子宮壁にできる良性腫瘍)および子宮平滑筋腫(子宮の筋層にできる良性腫瘍)における平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮細胞集団に細胞不均一性(筋腫)を発見したと発表した。
これまで、子宮筋腫ならびに子宮平滑筋腫の女性には、平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮細胞集団、免疫細胞が確認されていた。しかしながら、一細胞レベルでの細胞構成やトランスクリプトーム(全遺伝子発現情報)は不明であった。
一細胞レベルでの細胞構成やトランスクリプトーム(全遺伝子発現情報)
今回、研究チームは、子宮摘出手術を受けた女性8人から子宮筋腫ならびに子宮平滑筋腫の細胞(各5サンプル)を採取し、シングルセルRNAシーケンシング(シングルセル解析)を行った。
子宮平滑筋腫のMED12突然変異、子宮筋層サンプルを一細胞レベルで解析したところ、子宮筋腫および子宮平滑筋腫における平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮細胞集団に細胞不均一性が明らかとなった。あわせて、また、子宮平滑筋腫に特異的なリンパ管内皮細胞2種類が検知された。
子宮平滑筋腫のMED12突然変異、子宮筋層は類似した細胞構成をもっていたが、トランスクリプトームは異なっていたという。
研究チームは、内皮細胞、免疫細胞、平滑筋細胞の相互作用を介して、線維芽細胞が子宮平滑筋腫のミクロ環境に対して影響を及ぼすと考える。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
https://academic.oup.com/