卵巣刺激とレトロゾール
6月2日、コペンハーゲン大学病院などデンマークの研究チームは、「Human Reproduction」にて、レトロゾールを併用した調節卵巣刺激では、卵胞期および黄体期のホルモン分泌量が増え、卵胞の発育を促進させると報告した。
レトロゾールを併用した調節卵巣刺激では、レトロゾールを併用して卵巣刺激を行い、卵胞を発育させる。そして、卵胞がある程度成長した段階でアンタゴニスト製剤を注射し、排卵を抑えながら複数の卵胞を育てる。
レトロゾールを併用した調節卵巣刺激による効果
研究チームは、2016年8月から2018年11月に期間、体外受精患者31人を対象にレトロゾールとプラセボを比較する臨床試験(プラセボ対照試験)を行い、体外受精サイクルにおいて、レトロゾールを併用した調節卵巣刺激による効果を検証した。
被験者は、月経周期2、3日目から排卵が起こるまで、レトロゾール5mg/日あるいはプラセボを服用した。あわせて、3日ごとに卵胞数と直径をモニタリングし、血液検査を通じてホルモン分泌量を計測した。
レトロゾールを併用した調節卵巣刺激では、卵胞期および黄体期のエストラジオール(E2)分泌量が顕著に多くなった。ホルモン分泌に対して著しい効果が認められ、卵胞期の黄体形成ホルモン(LH)、テストステロン、17-ヒドロキシプロゲステロンも増加した。
さらに月経5日目では、レトロゾールの服用によって卵胞刺激ホルモンの分泌が増え、卵胞の発育を促進させた。その結果、採卵できた卵胞数は同じであったものの、採卵時における直径16㎜以上の卵胞数はプラセボと比べて多かった。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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