ビタミンD不足が妊娠に与える影響
7月14日、アメリカの研究チームは「Human Reproduction」にて、自然妊娠の場合、妊娠前のビタミンDレベルと流産リスクにおける関係性は認められないと発表した。
これまで、ビタミンD不足により、月経周期が長引いて排卵が遅れ、妊娠可能性を低下させるといわれてきた。先行研究における動物モデル実験では、ビタミンDが受精卵の着床率に影響を与え、ビタミンDが不足すると着床率が下がると報告されている。
妊娠前のビタミンDレベルと流産リスクにおける関係性
研究チームは、2008年から2015年の期間に妊娠した女性362人(自然妊娠、年齢30~44歳)を対象に、妊娠するまでの期間を調査した。
今回は、妊娠前に血液検査を一回行い、25ヒドロキシビタミンD(25OHビタミンD:全身のビタミンD状態を表す代謝物)に限定して血中濃度を測定した。
血中25OHビタミンD濃度から体内のビタミンD状態を判断したところ、大部分の被験者はビタミンDレベルが正常値であった。なかには、ビタミンDレベルが正常値でありながら、最終月経から20週以内に妊娠損失が確認された被験者もいる。
それゆえ、研究チームは、今回の研究結果より、妊娠前のビタミンDレベルと流産リスクにおける関係性は認められないと結論付けている。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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