精子スクリーニング検査と着床前診断の有益性
7月5日、アメリカの研究チームは、「eLife」にて、精子スクリーニング検査および着床前診断によって妊娠に悪影響を及ぼす遺伝子突然変異が発見でき、流産や子供の先天性疾患を防げると発表した。
この遺伝子突然変異は精子内で起こり、受精を通じて、父から子へと引き継がれるという。父親から子供へ遺伝子突然が引き継がれると流産リスクは増し、両親共に先天性疾患がなくても子供において先天性疾患の発症リスクが高まることが認められた。
なお、研究チームによると、全ての男性が精子内にこの遺伝子突然変異を持つが、悪影響を及ぼすのは一部であるという。
精子で生じる遺伝子突然変異が及ぼす影響
今回、研究チームは、参加同意が得られた体外受精を行うカップル3組を対象に、精子で生じる遺伝子突然変異が及ぼす影響を検証した。
提供された精子サンプルに対して全ゲノムシーケンシング解析を行ったところ55の突然変異が同定された。また、着床前診断を通じて、そのうち15は受精卵・胚へと引き継がれていることが認められた。
研究チームは、流産リスクや子供の先天性疾患リスクを高める精子の遺伝子突然が父から子へ引き継がれることを指摘し、着床前診断を行って受精・胚を選択するように推奨した。
(画像はeLifeより)
eLife
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