不妊が心臓代謝に及ぼす影響
4月18日、マサチューセッツ総合病院(アメリカ)は、プレスリリースを通じて、不妊歴と心不全には関連性が認められ、不妊歴のある女性では、不妊歴のない女性と比べて心不全リスクが全体で16%増加すると発表した。
つまり、不妊歴によって、心疾患リスクが予測できるといえる。なお、今回の研究論文は、「Journal of the American College of Cardiology」に掲載されている。
不妊歴と心不全の発症率における関係性
心不全は2タイプに分類され、拡張不全・拡張不全心不全(HFpEF:左室収縮能が保たれた心不全)と収縮性心不全(HFrEF:左室収縮能が低下した心不全)がある。左室駆出率が 50%未満になると左室収縮能の異常あるいは低下とみなされる。
今回の研究では、閉経後の女性38528人(14%に不妊歴あり)を対象に、不妊歴と心不全の発症率における関係性を検証した。
15年以上に亘る追跡調査を通じて、不妊歴のある女性は、不妊歴のない女性と比べて将来的な心不全リスクが16%高まることが認められた。また、将来的な拡張不全・拡張不全心不全リスクは27%増加したという。
不妊と心不全リスクにおける関係性は不明であるものの、不妊が心臓代謝の危険因子になると推測される。研究チームは、甲状腺疾患、月経不順、早期閉経といった不妊に関連する症状は、不妊と心不全における関連性から説明できると考える。
(画像はMassachusetts General Hospitalより)

Massachusetts General Hospital
https://www.massgeneral.org/